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放射線の測定@上野公園(4/16/2011)

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IS04 の android adb用USB デバイスドライバのインストール

こっちのページからzip形式のをダウンロードする。exe形式のではない。

http://www.fmworld.net/product/phone/sp/android/develop/

解凍しておく。

IS04本体のデバッグモードをONにしてUSBにつないでToshiba HSUSB Deviceというのがデバイスマネージャに出たら、ドライバの更新を選択して、コンピュータを参照して...というのをクリックしてドライバ一覧から選ぶほうをクリックする。zipを解凍したフォルダを選んでもドライバは認識されません。

デバイスの一覧がずらっとリストされるので適当にモバイルデバイスを選んで次へでディスク選択でzipを解凍したフォルダを選ぶと、android_winusb.infを選択できるので選択して後はインストール。

adb.jpg

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接続確認はまだ。今は↓のページ読んでるところ。windowsだとandroid_winusb.infか?

http://groups.google.com/group/android-group-japan/browse_thread/thread/25d8179d0661dad1/061ce49a061faedb

政治やら経済の話はもう十分分かった。で、今日、私はいったい何をしたらいいのか?その答えは新聞にもテレビにもない。

どうして、毎月5000円だかをツイッターとユーチューブ見れば分かる内容の丸写しと全面広告に払うのか分からない。
ふつう広告がついてたら無料でしょう。たとえ有料だとしてもせめて月315円だ。
しかも書いてある内容は私の人生とは関係ないどこかの誰かの話ばかりだ。5000円も払っているのにどこにも私の名前も出来事も載っていやしない。マイミクがただで私のことネタにしてるのに。
今までずっと新聞を読んできたけど5年読んでも10年読んでも、私の通帳の数字はぜんぜん増えやしない。毎月5000円減るばかり。毎月5000円払って難しい顔するよりその5000円でうまいもの食いにどこか行ったほうがよっぽど幸せになれるじゃないか。
私が読みたいのは政治とか経済がどうしたって話じゃない。そんな世の中で私がどうすればいいのかっていうこと。もしそれを書いてくれるのなら、私は月5万円払ってあげてもいい。

金時山・地蔵堂コースで地図読み

地蔵堂のバス停から出発。9:16

from yuhi no taki water fall

夕日の滝からの登りの沢のところ。地図の通りくねってる。9:57

from yuhi no taki water fall

夕日の滝のそばが迂回路。ここで地図と異なる尾根登りのコースになる。9:58

from yuhi no taki water fall

http://portal.cyberjapan.jp/denshi/opencjapan.cgi?x=139.023611&y=35.312557&s=10000

地図に出ている堰。10:10

from yuhi no taki water fall

沢を渡る。10:15

from yuhi no taki water fall

地図と異なって地図上のコース左側にある尾根に登る。尾根筋を南へ進んでJの字のように南側から西へ伸びる尾根に登った。10:50

from yuhi no taki water fall

この尾根
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=35182.8&l=1390065.30

金時山の頂上に着いた。12:30

from yuhi no taki water fall

下山タイムは公時神社までで52:17だった。14:51

from yuhi no taki water fallゴミは持ち帰りましょう。
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八ヶ岳麦草峠~にゅう~中山峠~黒百合ヒュッテ~渋の湯

2010年7月17日~18日
八ヶ岳麦草峠~にゅう~中山峠~黒百合ヒュッテ~渋の湯

■前日まで

3連休ということなので、どこかに行くことにした。候補は3つあり箱根駒ケ岳、富士山のそばの三つ峠山、八ヶ岳である。箱根と三つ峠は日帰りコースで八ヶ岳は1泊コースである。

土曜日には裸足ランニングのイベントがあるので、イベント参加と日帰りハイキングにしようかなと思ったけど、裸足ランニングは先週もレッスンのイベントに参加したので、また参加すると休みの日に予定がなさそうな人に見えるので3連休にしかできない1泊ハイキングをすることにした。

水曜日に山小屋・麦草ヒュッテの予約をした。予定を考えているときから3連休中の山小屋の予約をするなら早くしないとと思っていたので、3日前では遅いかなと期待せずに電話をしてみたが、なんの制限もなく予約を取ることができた。予約が済むと連休の予定が決まったことで、休みが楽しみになってきた。予約をすると気まぐれな行動ができないのが気になっていたがそうでもないことが分かった。

麦草峠までは中央本線茅野駅から出ている登山客向けの路線バスで行く。タクシーは相乗りしないとお金がかかる。高速バスという方法も考えたけれど、高速の上にあるバス停で駅までが遠いのでJRにした。指定席を取ろうかと思ったけど、そのときの気分で行動したいので指定席は取らなかった。

原宿の山専で、フリーズドライのご飯3袋とシルバのルーペ付きコンパスを買った。ドラッグストアでカロリーメイト2箱とバランスデイト1箱を買った。


■1日目朝

4時半ごろに起きてご飯を食べて準備が整ったら早々と家を出た。茅野から出るバスに間に合う特急にはまだ早いが、茅野へ行く特急はもう動いているので早めの電車に乗ることにした。新宿駅に着いてみると、6時台なのにもう暑い。登山の格好をした人たちが何人もいる。あずさの乗り場で適当に立っていると、自由席はどこですかと尋ねられたが、私も分からなかった。アナウンスで立っているところにくるあずさは全席指定なのが分かり、別のホームに行ってみた。あずさが何本か来るホームで、7時前後に出発するあずさだった。登山客を眺めつつ30分ほどホームで待った。7時03分新宿発のあずさ73号に乗ったと思う。

あずさがホームに入るころになると登山客だらけになっていた。急いで自由席の車両のところへ行き列に並んだが、扉が開いて自分が車両に入るころには満席となってしまった。デッキで立ち乗りになってしまった。立川、八王子でも乗ってきたので山手線のようになってしまった。甲府辺りでようやく空いてきて楽に立っていられるようになった。席は空かない。結局、茅野までずっと立席だった。小淵沢の辺りで空を見ると、晴れたり少し曇ったりという天気だった。

9時過ぎに茅野に着いた。少し電車に酔ってしまった。事前に調べたバスの時刻は10時過ぎなので1時間余裕がある。まだ駅のお店は開いていない。案内所があったので、そこでバスの時刻と乗り場を確かめた。駅の立ち食いそばが開いていたので食べようかなと思ったけれど、それより先にバス乗り場を確かめることにした。西口の向かいの駅ビルに行き、2番乗り場を確かめた。バスのカウンターが開いていて登山客が並んでいた。きっぷを買うようなので麦草峠までのきっぷ1400円を買った。バス乗り場が分かりきっぷも用意できたので後はバスが来るのを待つだけだ。駅に戻ってそばを食べることにした。前の日に、家でおにぎりを2つ作ってきたのだけど、それは電車の中でお茶を飲みながら座って食べようと思っていたおにぎりだったので、電車の中では食べなかったし、おにぎりはいつでも食べられるので、おにぎりは食べず駅そばを食べることにした。

CA3A0595
野沢菜のわさび漬け特そば(430円ぐらい)


のどが渇いていたのだけど、そば屋のカウンターに置いてある水のボトルにはもう5センチほどしか水が入ってなかったので、2杯だけお代わりした。前に食べていた人が旅行かばんを忘れたようなに見えたが、あっというまに行ってしまったので声を掛けられなかった。野沢菜のわさび漬け特そばを食べた。わさびの香りがしておいしかった。

バス乗り場に戻る。登山客がまた並んでいたのでまた座れないのかと思ったが、他の場所に行くバスの列だったので、まだ並ばずに駅ビルのベンチで座ってバスを待った。のどがまた渇いてきたので、売店で紙容器のグレープフルーツジュースを買って飲んだ。同じメーカーの同じ型のザックで来ている人がいた。

バスの時刻が近づいてきたので列に並んで待っていた。1本先に出る別の場所へ行くバスの乗客が並ぶため少し列を移動するように指示があった。一つ先の乗り場にいる係の女の人がこちらの係の女の人に向かって腕を曲げてがんばるのしぐさをしたのがかわいかった。

■麦草ヒュッテに到着

10時25分になりバスに乗車した。混雑はしなくてちょうど席が埋まった。麦草峠に到着するのは11時29分である。電車では座れなかったのでバスに揺られているうちにうとうとした。市街地から見る山は、多少雲がかかっている。山に入ってくると開いている窓から木々の匂いがしてくる。目に見える色がすべて緑である。別荘やこぎれいなクラブハウスがあり、ここは山登りではなく休暇を楽しむところなのだなと思った。山登りなどしてないで、もう緑とフィトンチッドの匂いで満足したのだし、うちに帰って簿記の勉強の続きをして、外車を買うお金とクラブの年会費を早く稼ぐべきではないかと思った。

バスはさらに標高の高いところを目指しうねった道を登ってゆく。別荘もなくなり空の色もさらにきれいになったところで、麦草峠に着いた。バスは今晩泊まる麦草ヒュッテの目の前に泊まった。今日はぜんぜん山に登らないのである。

麦草峠の地図



バスを降りて小屋の前で一休み。今日はもう受付を済ませて荷物を置いてゆっくりするだけだ。天気も良くて空気もきれいでこんないい日はない。小屋の人は他のお客さんの相手をしていたので土産物などを眺めて終わるのを待った。受付が終わるまでの間、お茶を出してもらった。荷物を持って今日泊まる3階の大部屋に案内してもらう。浴室やお手洗いの案内もしてもらう。大部屋は空いていて好きな場所を選べた。いちばん端っこにした。

宿の人が説明を終えて下に降りていく。窓が開いていて頭を外に出すと草原が一面に広がっていた。深呼吸してジブリの登場人物にでもなったかのような気分で荷物を整理した。ルンルン気分で地図を眺めたりしていたら、東屋のほうからはオカリナの音色が聞こえてきてもしかしてここトトロいる?なんて思っていたら、東屋の練習曲がトトロのテーマになった。

夕食の18時と入浴の16時まで時間が4時間くらい余ったので、雨池に行ってみることにした。地図を見ると片道1時間ぐらいである。前回行ったときのあの非日常的な景色が忘れられないのでもう一度行ってみることにした。宿の人に雨池に行くことを告げて、雨池までのミニハイキングに出発した。

P1000134_trail map at mugikusa_zoom
雨池までの地図


茶水池という池を通る。雨降りが続いた後のためか、前回とは違って水が多い。池の上を通る木道の上を歩く。水が透き通っている。池を過ぎると苔で覆われた森の中に入る。倒木が苔の緑に埋もれている。立ち止まると、静かに呼吸する苔の息が聞こえてくるようである。森の中の息吹に合わせ自分の細胞一つ一つが深呼吸を始める。

すれた感情は消えてなくなり健やかな気分で登山道を進む。行き交う登山者とも自然に挨拶をするようになる。気分は良いが登山道は泥だらけ。ぐちょぐちょの山道である。その上、北八ヶ岳の特徴なのか岩が多い。泥だらけの湿った岩だらけの道で、滑りそうなことこの上ない。今日は汗をかく予定はなく、今履いているゴアテックスのモンベルのトレッキングパンツは明日も履く予定なのであまり泥んこにはしたくないのである。

トトロに会ったり神隠しに出会ったりすることもなくパンツも泥んこにならずに林道へ出ることができた。

P1000129_exit of trail path from mugikusa
林道に出たところの道しるべ


2万5千分の1地図で場所を確認する。2万5千分の1地図に書いてある登山道は、たまに実際の登山道と違っていることがある。地図の登山道出口と実際の出口の位置が同じか確かめてみたが、なんとなく合っているような感じだった。

P1000130_entry of trail path to amagaike
雨池への登山道出入り口


5分ほど林道を歩いて雨池への登山道に着いた。ここから雨池までは10分くらいだった。木道が整備されていて歩きやすい。トレッキングパンツも泥だらけにならない。


P1000131_guide post at amagaike
雨池のほとりの道しるべ


雨池に着いてみると、前回と違って水が豊富であった。前は水が引いていて乾いた岩がごろごろしていて別の惑星みたいだったけれど、今回は見晴らしのよいきれいな八ヶ岳の池である。登山パーティの人たちがにぎやかに会話をしていた。前は誰もいなくて池は静寂に包まれていた。まあいいかと思いながらザックを投げ出してまだ一口も食べていないおにぎりを食べることにした。梅干と昆布の玄米大豆おにぎりである。玄米なのであまり固まらない。晩ご飯が食べられなくなると困るので梅干のおにぎりだけ食べた。おにぎりを食べ終え水も飲んでそれから池を眺めた。登山パーティは別の場所へ移動を開始し、私一人だけになった。水が澄み切っていて池の底の石がきれいに見える。水に触ると竜にでもなってしまいそうだ。パワースポットという言葉は東京だけにしかない言葉なのだろう。

P1000133


ひんやりとした池の水に両手を浸してそのまま池の底の砂利のような石に押し当てた。すると石の間からぶくぶくと泡が出る。池の底から空気が抜けている。さらに手を押し当てると、別の場所からもぶくぶくと小さな泡が出る。池が息をしている。ぶくぶくという音が雨池の声のように聞こえてくる。池の水からそっと手を出して、写真を撮って帰ることにした。

■お風呂入って晩ご飯

15時半ごろにヒュッテに戻った。入浴の時間は16時だと思っていたら16時25分ぐらいからだった。時間が空いたので、お土産を買うことにした。お土産は帰りに買うものだが、明日は出発の日なので今のほうがゆっくり選べる。お土産を背負って山に登るのは順番が逆だけどしょうがないのである。買い物を済ませ部屋に戻りザックの中を全部外に出してお土産を背中の骨が入っている硬いところにしまった。

麦草ヒュッテには野草園があって高山植物を楽しむことが出来る。入浴まで時間があったので見てみることにした。前ここに来たときはまったく見ることができなかった。

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高山植物の花(名前分からない)


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これはコマクサ


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赤いコマクサ?


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野草園の入り口


野草園で写真を撮ったり空を眺めたりしていたらお風呂の時間になった。山小屋で入浴ありの場合の着替えをどうするのか荷造りのとき悩んだ。山登りなので荷物は少ないほどいい。ランニングのときのパンツと次の日にも使える化繊のスポーツ用Tシャツを入浴後に着るものにした。このヒュッテは井戸を持っているので水が出る。普通はお風呂はない。広さはぎりぎり3人分といったところ。長く入っていると次の人がなかなか入れないので汗を流す程度にして入浴を済ませた。

大部屋で食事の時間を待つ。今晩の泊まり客は5人だそうであり広々と大部屋を使える。売店で買ったブルーベリーなどを食べながら地図を眺めたりする。一人で来ているのは私と他2名だった。京都から来たという男性は硫黄岳のほうまで縦走するそうである。蓼科山のほうから来たそうである。もう一人の人は逆に天狗岳の辺りから来たそうである。天狗岳から来た人はベテランであれこれ道の状況を教えてくれた。丸山から中山、麦草峠までは泥だらけで歩きにくいとのことだった。京都から来た人が熱心に聞いていた。私は未経験者といったところなので黙って聞いていた。

P1000145_dinner at mugikusa huttel
とってもおいしかった晩ご飯


とっても楽しみな夕食の時間になった。お腹空いてしょうがない。決まった時間に食堂に集まってみんなで食べる。席割りも決まっていた。いつも一人で食べているので、前にこんなふうに大勢で食べたのはいつか思い出せない。全員でいただきますと言うのかと思ったけどさすがにそういうことはなかった。とはいえ同じテーブルで自分だけ食べるのもなんだか楽しくないのでなんとなく周りと合わせつつ食べ始めた。

最初にハンバーグが目に入り左側のお肉にちょっと気づいてそのあと漬け物とねばねばしたおいしそうな何かを見て赤紫色の飲み物が気になって温かそうなお味噌汁を見てそれからパイナップルとかレッドルビーのグレープフルーツがあるのもしっかり見た。食べる前から食事を堪能した。これはとても豪勢な夕食だと嬉しくもあり驚きもあった。とにかくこの晩ご飯はおいしかった。

ご飯のお代わりもして満足しきって大部屋に戻った。日暮れの時間になっていた。空が赤く染まっている。外に出ると少し寒くなっていた。夕焼けの翌日は晴れると言われているので明日も晴れることだろう。

P1000147_sunset_crop
麦草峠の夕暮れ


部屋に戻る。山の会話をしたり地図の眺めたりして夜を過ごす。山の雑誌も置いてあってそれを読んだりもした。窓から縞枯山の方角が見える。ベテランの人が雷が見えると言う。黒い雲がピカッピカッと光った。縦や横に稲妻が走るのも見えた。大部屋の5人が皆、夕方の赤い空に雷が光っているのを眺めていた。

なんだかもう眠たいので20時ぐらいには眠った。3時ごろ目が覚めて窓の外を見た。満天とは言わないまでも星がたくさん輝いているのが見えた。

■翌朝

京都から来た硫黄岳まで行く人の目覚ましが聞こえた。朝食は6時と7時のいずれかを選べて7時を選んでいる。まだ数時間寝ていられる。今回の旅は山小屋に泊まってみることなので急ぐことはない。もう少し眠っていよう。

太陽も昇り始め周りががさがさしてきて起きることにした。山小屋の朝。気分が良い。寒くはなかった。歯磨きの水が冷たい。外は晴れていた。食堂では宿の人が6時の朝食の支度をしていた。トレッキングパンツとアウタージャケットを着て早朝の散歩に出る。朝露で草が濡れている。また来ようと思った。

宿に戻るとベテランの人からまだいるのと聞かれた。どうやら山に登る人はもっと朝が早いようだ。今日の予定を話すと地図を見てもらったり行程の時間配分を教えてもらったりいろいろアドバイスをしてもらった。麦草峠から中山峠までのコースは、丸山と中山を通るより迂回コースのにゅうを通るコースのほうが歩きやすいとのことだった。天狗岳まで行くのだったらもっと早く出たほうが良いとも教えてくれた。

P1000150_morning at mugikusa huttel
昼の弁当(600円)付き


朝食の時間。昨日と同じ人たちと相席となった。妙齢の女性の3人で真ん中の人にご飯をよそってもらった。でも会話は一切しなかった。2つ隣の席の超ベテラン風のおやじと3人のうちの一人が掛け合いでトークしていたのが面白かった。ご飯を食べ終えて出発の仕度をして荷物を出口のところに運ぶ。昨日のベテランの人がいてまたしばらく会話した。登山道の脇の崖のような場所からモグラが飛び出してきたという。

ザックを背負って宿を出る。振り返ってヒュッテをもう一度見ると、2階の窓にあれこれ案内してくれた宿の人が布団を畳んでいるのが見えた。私に気づいていってらっしゃいと大きな声で挨拶をしてくれた。こんな風に2階の窓からいってらっしゃいなんて言われたのは初めてかもしれない。この日の朝はずっとオカリナの音色が聞こえていた。

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寝床


■にゅう

ヒュッテを出て白駒池まで歩く。前はこの池のほとりにある青苔荘のテント場で1泊した。前にテントを張った場所がそのままあった。

P1000156_shirakoma pond
白駒池


木道になっている周遊コースをしばらく歩き分岐に着く。苔が生い茂っている。

P1000171_fork to the path to nyu and shirakoma round trail
分岐


この辺りは苔の名所と言われている。映画『風の谷のナウシカ』に出てくる腐海並みに苔が生い茂っている。森の木々と苔の光合成で空気がさわやか。今朝の山のベテランの人はここで何度も深呼吸したそうな。私も何度も深呼吸した。

P1000182_moss criff
腐海で深呼吸


腐海を抜けると白駒湿原という場所に出た。さっきまでの苔むした陰鬱な世界から一転して明るい。ヨーロッパのハイジみたいな世界だ。

P1000201
白駒湿原


P1000197


地図を見るとこの辺りから登りが始まる。木道が途切れて岩と泥の登山道になった。軍手をして登山モードに入る。時計を見ると10時を過ぎた辺りで、にゅう登頂は11時前後を想定した。

森の中をひたすら登る。今回の登山で最もハードな箇所である。ロープなどで登山道が分かるようになっている。途中、前を行く人が登山道を外れたが、後から来た私がロープに沿って登ったら道を間違えそうになったことに気づいたようだ。

11時ごろになってにゅうに着いた。

P1000224
にゅうの山頂部


岩だらけの山頂で狭いが、話で聞いたとおり360度のパノラマだった。富士山が見えるし北アルプスも見えた。

P1000225
富士山


P1000238
北アルプス方面


にゅうの山頂は岩登りをしないとたどり着けないように見えたので、ザックを脇に置いて体一つでロッククライミング風に登った。山頂の岩の上に立って写真を撮った。にゅうの頂上は崖っぷちなのでバランスを崩すと落っこちる。頂上から降りるときに分かったがわざわざ岩登りしなくても脇から頂上に行ける。

そろそろ帰りのバスの時間が気になってくる。渋の湯で温泉にも入りたい。地図を見ながら時間を考えると、黒百合ヒュッテに12時ぐらいに着いてちょっとだけ休憩してその後、一気に山を降りる必要があるようだ。ゆっくりしたかったがしょうがない。今回は山小屋に泊まってみるというのが目的だったので、スケジュールはおおざっぱだった。

前にも歩いたコースなのでそそくさと歩いていく。尾根道なのでそんなに大変ではない。コースの途中にいくつか稲子岳との間にある谷を展望できる場所がある。地図上では稲子岳への登山道はないが、山のほうを見たら人が歩いていた。どこから来たんだろう。

P1000267_party on the top of inago dake
稲子岳にいた登山パーティー


ちょうどお昼ごろに黒百合ヒュッテに着いた。ちょっと曇ってきていた。とりあえず昼なので麦草ヒュッテで注文したおにぎり弁当を開ける。漬物と一緒に小魚の佃煮も入っていたのが驚きだった。黒百合ヒュッテにはたくさん登山者がいた。JETBOIL使っている人たちがいた。私のは点火プラグが壊れてライターで火を点けないといけない。

12時半ぐらいになったので山を降りる。景色や森を楽しむ余裕はなくどんどん降りてゆく。下りも岩だらけなので尻餅をつかないように気をつける。分岐に着くと時計と地図を見る。早いかなと思ったが、しばらく歩くとまだまだなことに気づく。温泉入る時間が短くなる。沢の音が聞こえてくると近いかなと思うが、まだ歩く。結局14時を過ぎてやっと渋の湯に着いた。タイムを測っていたが、黒百合ヒュッテから1時間23分13秒だった。山と高原の地図よりちょっと短いくらいだった。

P1000283
渋の湯に着いた


バスの時間は14時50分なのですぐに温泉に入った。混んでるといっていたので、ちょっと迷ったけどとにかく入ることにした。800円である。宿の人が温泉について熱い湯船と水の湯船があって熱いときはちょっとだけ水の湯船の水を入れてくださいとか事細かに事前説明して金属類は硫黄成分で痛むことがあるとか注意までしてくれるのだが、入る時間が短くなってしまう。いそいそと服を脱いで温泉に入った。

確かに熱いのと冷たいのと二つあって硫黄の匂いがして温泉だった。

バスの時間である。箱根だったら1時間ぐらい浸かっているんだけど、時間なのでしょうがない。お風呂から出て時計を確認してさっさとバスに乗る。満席であったが立っている人はいなかった。茅野まで戻る道、お祭りの日のため渋滞していた。

駅に着いてお土産とビールを買った。この辺りは寒天が名物らしい。どう帰ろうかと思ったけど、改札が登山者でいっぱいで指定席券売機に行列ができていた。普通の券売機でもきっぷを帰るのではと思って操作してみたら自由席の特急券を買えた。15時台のあずさに乗れた。両方ともあずさとは金持ちである。席は混んでいなくてずっと座れた。新宿には日暮れの時間に着いた。今までいた緑の世界は夢だったのかなあとビル群を見ながら思った。

おしまい

ラリック 玉村豊男 星の王子さま マイセン ベコニア

答え「箱根」

15日は箱根・明星ヶ岳に登ってきた。水3リットルくらい持っていったのでザックが重すぎた。
下山後、ひめしゃらの湯で長風呂。下山後、温泉に浸かるというゴールデンコース。箱根良すぎる。
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2007年9月15日 滝子山・大谷ヶ丸縦走

コース
初狩駅(7:52)~滝子山(12:15)~大谷ヶ丸(14:08)~曲沢峠(15:52)~道証地蔵(17:03)~笹子駅(18:41)

中央線の勝沼と高尾の間にあるエリアである。ぶどうの産地や高尾山、富士五湖など観光地の中間にあるエリアであまり降りることはないと思う。

今回の登山は一言で言うと...

危なかった。


初狩駅

5時35分に新宿に着く。山手線はこんな時間でも席が埋まっていた。ガラガラのはずでは?38分の中央線各駅停車に乗り換え。ホームが分からず逃がすところだった。逃がすと50分のになる。八王子に6時26分に着く。松本行きの中央線普通に乗り換える。中央線だけどボックスシートの中央線だ。カメラをホームに置きっぱなしで乗るところだった。電車を待っていた人が教えてくれた。一人でだいじょうぶかなあ。途中、少し寝て体調を整える。7時26分、初狩に到着。天気は晴れ。登山の準備をして52分に出発となった。

笹子川を渡る交差点で小学生があいさつをしてくれた。私もあいさつを返した。坂を登って集落に入る。入口に木の看板あり。「この宿を挨拶街道と呼び何人もかならず挨拶を交わすよう通行人に申しわたす 代官」と書いてある。タイムスリップである。この看板がどこまで本気なのか分からないが本気だとしたらどうなるか。あいさつしなかったら代官のお裁きになるかもしれない。坂を登ると向こうから小学生が歩いてきた。あの看板は町おこしの冗談だろうなんて思って、あいさつしなかったらどうなるか想像する。目を合わせたらあいさつしてきた。私も出ない声であいさつ。よーし助かった。さらに道を進む。もしいきなり横からあいさつされたらどうしよう。何十人もぞろぞろ人が出てきたら全員におはようございますおはようございますってあいさつしないといけないのかな。ああ、とうとう大人の人がやってきた。看板が冗談じゃなかったら大人でもしなきゃいけない。でも冗談だったら大人どうし知らない人なのにあいさつしたら変な人だと逆に怪しまれるかもしれない。そもそも代官なんて書いておいて本気で「何人も挨拶を交わすように」なんて書くなら、日本国憲法に代官なんて役職はないわけだから、それはつまり今自分が歩いているところは、この先日本国憲法通じずになるわけだ。現代の法知識が通じないことになる。ああどうしよう、大変なところにきてしまった。何が正しいのか法律で考えちゃだめだ。そうなったら人間の常識的な感覚で考えるんだ。人間の常識的な感覚って何だ。どうしよう、どうしよう。さっきと同じように目配せをして「お...」と言ってみたら、おはようございますとあいさつしてきたので不慣れな小さな声であいさつを交わした。大人どうしでもあいさつをするということは、子どもの教育向けのマナーポスターのようなものじゃなくて本気で何人もあいさつをしなさいと言っているわけだ、お代官さまが。早くこの街道を抜け出さなくては。

登り始め

妄想に夢中になりながら藤沢子神社に着く。舗装道路が終わって登山道らしくなってくる。少し進むと自然派なうどん屋さんと薬草膳のお店の看板。なかなか良さそうな雰囲気。道標に沿って道を進みいよいよ登りが始まる。最近の大雨のせいか小さな沢が道を横切って流れている。完全防水の登山靴でないと中にまで水が入ってしまいそうな沢だ。こんな沢を渡るのは初めてだ。一つ一つ石を確かめて渡る。ここから先、雨のせいで道はドロドロ、沢も何度も渡ることになった。途中、ストラップが外れてカメラを落としてしまいシャッターが下りなくなった。日みたいなホルダーでベルトを留めるやつだ。わざわざ別途購入したストラップなのに緩んだように外れた。カメラをザックにしまって登山を続ける。雨がぱらぱら降ってきた。レインカバーを持ってこなかった。大雨になったらいやだなあ。レインウェアはゴアテックスなので大丈夫だろうけれど、これ以上雨が強くなったらどうするか決めないと。でもどんな判断基準で登山を中止したらいいんだろう?分からないなあ。こんな緩いと遭難してしまうぞ。

降ったり止んだりが続く。他の登山者と会わない。もしかしたらこんな日に山に入るのは間違っているのだろうか。ベンチが見えてきた。人工物を見て安心する。ベンチを置く程度に人が来るところなんだ。ガイドブックにあった最後の水場だった。ザックを下ろしてボトルの水を空けてしまう。それから汲みに行ったら蛇口に手洗い用と書いてあった。飲めないらしい。水は3リットルくらい持ってきたので大丈夫だろう。ベンチに戻ったら登山者と出会う。ほかに登っている人がいると分かると、根拠はないことは頭では理解しているが、安心する。

ここまででもう疲れていた。初狩から滝子山に登るコースは、ガイドブックによれば、頂上まできつい登りが続いている。実際、楽な登りではなかった。20歩も進まないうちに立ち止まってしまう。地図やガイドブックの頂上までの所要時間は3時間55分から4時間20分とある。実際は4時間7分。登っている最中は相当遅く登っている気がしたがそうでもなかった。水場で会った人とは会わなかった。息を切らしときどき心臓がバクバク鼓動するのを感じて怖くなって立ち止まったりしながら登り続けてやっと檜平にたどり着いた。この辺りで少し平坦な道になる。ザックを下ろして一休み。ボトルに水を補給したり写真を撮ったりする。お腹も空いていた。登り始めにカロリーメイトを一袋食べたけどもうお腹が空いた。ウェアを着直すとまたがんばれそうな気持ちになってきた。雨がぱらぱら降ったりする。男坂、女坂の道標。疲れているので女坂で登ろうかとも思ったけれど、男坂がどんなか知りたい。男坂を登ることにした。ああ早く頂上に着かないか。

登り登り登り。岩が多め。5歩進んで立ち止まり5歩進んで立ち止まり。檜平から頂上までは1時間のようだがこれではいつになったら着くのか分からない。早く着かないと帰りが日暮れになってしまう。そう思うと少し急がなきゃいけないと思うようになるが体はついてこない。1時間で終わる、そう思いながら登り続ける。標高は高くなってきたので木々の間からの眺めは良くなってくる。男坂と女坂の合流地点に着いたのは11時37分。登り始めが分からないので1時間で登ったのか分からない。頂上到着が12時15分で11時37分が坂の終わりなので1時間以上がかかっているような気がする。

地図を見ないで登っているのでこの先はもう楽かなあと思ったけれども最後にもう一回ハードな登りになった。大谷ヶ丸まで行くのはやめて滝子山でやめようかと思いながら登る。天気が良くなってきたのが幸いだ。上の方を見るとだんだん木がまばらになってきた。頂上は近い。下山する人と出会う。木の枝を杖にしている。若い女の人だ。しかもエビちゃん風だ。格好は...ショルダーバッグ!この格好で登ってきたのか?続いて男性の下山者。まともな格好をしている。2人組みなのか。それにしてもショルダーバッグで山登り。大丈夫かなあ。

滝子山頂上

岩場に出る。ああまったく疲れた。上を見ると人の姿。空しか見えない。ここを登り切れば頂上だ。こういうときは一気に登れたりするものだけど数歩ずつしか登れない。やっとこさ登頂。人が何人もいた。天気もいい。頂上は狭い。みんなご飯を食べている。なんだか食べる気も起きないけれどとりあえず水を飲んだり魚肉ソーセージを食べたりする。バーナーでコーヒーを淹れようと思っていたけれど頂上も狭く気力もなかった。

カメラをチェックする。このカメラ、お古なのでときどき気まぐれを起こす。シャッターを押してみたらカシャンと音がした。頂上に着いたら機嫌を直したようだ。機嫌が良いうちにカシャカシャ写真を撮る。頂上の北側と南側で天気が違う。北側はよく晴れているが南側はガスというより雲で景色が見えなくなったりする。雲がとても早く移動している。誰かが風って怖いわねえと言っている。この雲の動き次第で遭難してしまったりするわけだ。秋雨の時期であり天気は変わりやすい。そう思うと頂上にいつまでもいられないという気分になり、荷物をしまって次のコースに挑むことにした。片付けているとき黄色い蝶々のような蛾のようなのが腕に留まった。

寂ショウ尾根に降りるコースと鎮西ヶ池に下りるコースがある。地図を見て時間を見ると大谷ヶ丸まで行っても5時には甲州街道に出られそうだ。せっかくここまで来れたので大谷ヶ丸まで行くことにした。

道標に沿って鎮西ヶ池に行く。大雨の影響か倒木が多く道が分かりにくい。鎮西ヶ池の周りも枝や葉っぱで道が分からない状態になっていた。そして大事な道標が見つからない。周りの景色を観察しながら踏み跡を探しつつ前に進んだ。道が続いているような雰囲気かどうかで前に進んだ。なんとか正解だったらしくヤブだらけの道を見つけさらに進む。コンドウ丸から笹子駅に降りる道のところで登山パーティーと出会う。道標にだんご三兄弟の手ぬぐいを掛けて干している。ひとめくりして道を確かめる。

滝子山から大谷ヶ丸までは地図で1時間。尾根道だから楽だろうと思ったけれど登り降りがある。地図で確かめれば途中に3つピークがあるのが分かってペース配分できたのに見ないで歩いたものだから、ここを登れば大谷ヶ丸だと3回も勘違いしてまた疲れた。

大谷ヶ丸の頂上は道標がなくて分かりにくかった。近くにあった道標には湯ノ沢峠を示すだけだった。地図を見ても湯ノ沢峠が見つからない。周囲を見回すと頂上らしき場所がすぐ近くに見える。でもそこへの道がまるではっきりしない。頂上なのか?登ってみたら大谷ヶ丸の頂上だった。道標もあり次の目的地である曲り沢峠も示されていた。帰りの電車で地図の畳まれていたところに湯ノ沢峠があることが分かった。

時計を見ると14時8分。やや遅い感じがする。地図の所要時間ではここから林道まで1時間30分くらいだ。ザックにしまっておいたヘッドランプを念のためウェストバックに移した。ウェアを調えてザックも整え靴紐を締めなおして地図を見て峠まで一本道で簡単なことを確認して下山を始めた。

道を間違える

ももの前側を痛くしながら急坂を降りる。後は楽な降り道だ。誰とも会わない。しばらく進むと地図に書いてあった防火帯に出会う。林の中にそこだけススキが広がっていて非日常的な景色だ。写真を撮って防火帯に入っていった。胸ぐらいまでのススキでいっぱいで帯の端をどんどん下ってゆく。ここを降れば曲り沢峠になると誤解していた。防火帯の終わりまでくると辺りの景色がどうもおかしい。目の前には急な山の頂が見える。右手の先には深い落ち込んだ沢のようなものが見える。左手には林が広がっていて少しばかり空間がある。空き缶などが落ちていて人が来たことが分かるが、登山道を示すものもそれらしき踏み跡も見つからない。もう一度、目の前の山の頂を見上げる。日差しが傾き始め目の前の山は半分影になっている。何の音もしない。沢らしき落ち込みから自分のところまで目線を動かす。いったいどこまでが地面なのかススキが生い茂っていて分からない。この場所はおかしい。来てはいけない場所に来てしまっているのかもしれない。いやここは普通、人が来てはいけない場所なのだ。

怖くなり左の地面が見えている方へススキを掻き分けながら逃げる。ススキが窪みや崖を隠しているかもしれないと思うと動けなくなりそうだった。足元に気をつけながら空き缶が落ちている場所に移動した。左の靴紐がほどけていた。時計を見るともう15時を過ぎていた。地図に「防火帯に入らない」と書いてあることを思い出した。防火帯というのを周り林に入らないと勘違いしていたらしい。それに防火帯は登山道ではない。今自分がいる場所は本来人がいる場所ではない、日差しも夕方の気配になってきている、息を整えることもせず防火帯から戻ることにした。終点まで降りてしまった上に直登なので息がすぐに切れる。休んだらどんどん時間がなくなってしまう。途中、右の靴紐がほどけたり眼鏡が枝に引っかかって落としてしまう。うっかり踏んでしまったらかなりまずい。ヤブの中、目を凝らしてどうにか見つける。

登山道に戻ることができた。ザックもウェストバックも放り投げて座り込む。右の靴紐を締めなおした。あのまま気付かずに進んでしまっていたら登ってまた戻ろうとは思わなかったかもしれない。疲れていると楽な方に進みたくなってしまう。登山道の外側はまるで歩ける場所ではないことも分かった。きれいな光景に見とれてそのまま中に進んでしまったわけだ。あのまま山の中の帰れないところに連れて行かれてしまうところだった。

曲り沢峠への道を急ぐ。峠の手前にあるコンドウ丸に到着する。正しいコースを進んでいる。コンドウ丸から曲り沢峠までは20分。この辺りも倒木がたくさんあって道が不明瞭。踏みしろを確かめつつ道を見つける。登山道にクモの巣が張っている。まるで人が来ない登山道のようだ。道ははっきりしている。時計のレコードには防火帯を出たらしき時刻が15時37分とあって曲り沢峠は15時52分だ。

曲り沢峠に着いた。ここから沢筋の道に降りて林道に出る。道標にはようやく笹子駅の文字。なんとか帰れそうだ。尾根道からなのでT字のようになっていると思ってしまうが来た道を戻るような感じになっている。道を間違えた上に疲れていたのでまた戻るような錯覚になり不安だったが道標が正しい。

道は歩きやすい。しばらく歩くとぐるっと右に曲がり杉の植林帯になってくる。沢の音が聴こえてくる。一安心。まだ足元も見える。転ばないようにするだけだ。沢の音は聴こえるがなかなか沢が見えてこない。うす暗い道を降りて沢に出る。ズミ沢である。三丈の滝のそばで丸太2本の橋を渡る。道ははっきりしている。送電線の横を通る。送電線を建てられるような場所まできた。スチールの橋を渡り上を見ると白いガードレール。林道大鹿線。やっと文明と出会った。もうこれで今日の登山はおしまい。道に迷って帰れなくなることはない。買ったばかりの靴の左のほうが痛い。下のほうだけ結んで笹子駅までの道を歩いた。駅のそばの笹一酒造の看板を見て急に足が速くなった。

帰った日の夜、寝付くとき、細い崖沿いの道を歩こうとして落っこちそうになる夢を見た。夢の中で落ちそうになったとき、木を掴もうと左手が動いてしまった。私は道を間違えたことが相当怖かったようだ。


2007年8月20日~21日・八ヶ岳登山

コース
1日目:ピラタスロープウェイ~雨池~麦草峠~白駒池
2日目:白駒池~高見石小屋~中山~中山峠~黒百合ヒュッテ~中山峠~ミドリ池~稲子湯

出発

20日午前6時過ぎ、自宅を出る。4時半ごろに目が覚めうとうとして5時ごろに起きた。最後の荷造りをして部屋の戸締りなどを確認してうちを出た。ドライのハーフパンツとスポーツ用のTシャツ、ゴアテックスのレインパンツを着た。レインウェアの上着は腰に巻いた。朝食はとらなかった。ジュースだけ飲んだ。携帯ボトルの水をミネラルウォーターに交換した。他の5本は水道の水。1.5リットル、1リットル、アルミボトル3本。

ザックを背負って部屋を出ることはできず。ザックをエレベータホールに置いてもう一回部屋を確認した。ついでに、外れてそのまましまってあったポストボックスを取り付けておいた。ザックを引きずってエレベータに乗せ1階に降りる。1階のエレベータホールでいよいよザックを背負う。重い。前の夜、部屋で背負ってみたけれどもやっぱりずっしりとくる。駅の階段で転んでお終いかなと思いながら、駅へと歩く。早朝でももう汗が出てくる。首に掛けたタオルでさっそく汗を拭く。

駅に着いて、前の日に急遽購入したカリマーのウェストバックからきっぷを取り出す。重いザックを背負っているとこんな簡単な動作も一苦労。改札を抜けいつもとは反対の池袋方面行きのホームに行く。階段で転びそうになるかと思ったが、ふらつきもせず登れた。第一関門を突破である。

ホームでザックを下ろし電車が来るのを待つ。どうやら寝坊して電車を逃すこともなかったようだ。あずさ1号にも乗れそうである。荷物が大きいので間の車両ではなく端っこの車両に乗ることにした。ザックを手で持ってホームの端まで歩いた。電車が来たのでザックを背負いそのまま乗車。下ろすのが大変なのでそのまま新宿まで乗っていった。端っこでなるべく邪魔にならないようにした。まだ7時前なのに人が多い。

スーパーあずさ1号

新宿に到着。あずさ1号の発車までまだ30分ぐらい時間がある。山手線のホームを降りあずさの発車ホームまで歩く。階段でこけなかった。良かった。良かった。この辺りからだんだんと旅行に行く人の姿が増えてくる。ザックを背負った場違いな格好が似つかわしい格好になってくる。あずさのホームへはエレベータで上がるようになっていた。

ホームに上がったらもう電車が来ていた。あずさの先頭と窓に写る自分の姿を撮った。きっぷを確認したら、いちばん先の車両だった。ザックを背負って1号車のところまで歩く。だんだん背負いなれてきた。背中を地面と平行するほど倒してザックを背中に乗っける。1号車のところまできてザックを下ろす。まだ電車のドアは開いていない。ザックをおいたままとりあえず何か飲み物か朝ごはんの代わりになりそうなものを買いにキオスクに行った。並んでいる。しかもなかなか前に進まない。前の女の人なんかいちど選んだ飲み物をやめて紅茶に変えたりしている。袋が破れて入れ直したり新聞を買う人がちょっとごめんよと横入りしたりする。朝ごはんの代わりになりそうなウィダーINゼリーを買った。そんなことをしていたら、電車がドアが開く時間になり、ザックを手で運んで電車に乗った。ザックを網棚に載せる。ウェストバッグや上着を席に放り投げる。やっと一息つける。席は2人掛けでいちばん端っこの東寄りの窓際だった。隣は誰もいない。ゼリーを飲んで一息休んで洗面所に行く。順番待ちだった。洗面所にいる間に電車が発車した。

席に戻り本格的に一息つく。ここまでくればもう山のふもとまでは行ける。一安心だ。窓からの景色を眺めたり後ろの席の会話を聞いたりする。遅刻しそうだったらしい。6時に起きたから間に合うと思ったようだ。相手は6時に出発なら間に合うでしょうと言っている。反対側の席は外国人とその案内の女の人のようだ。カップルかなあ。多摩川を越えたあたりで眠くなった。甲府を過ぎたあたりで下車の段取りに掛かる。荷物が重いので短い停車時間では下ろせそうにない。小淵沢駅で網棚から荷物を下ろしてすぐ降りられるようにドアのところに立っていた。茅野で降りる。

バス

茅野のホームでザックを背負う。もう気分は立派な登山者だ。階段もどんどん上がる。改札を抜けて最初にすること。バス乗り場探しを始める。案内看板があると思ったが見当たらない。向かいのビルにつながっているコンコースを進んだりしてみる。似たような格好のカップルの女の子のほうがこっちよなんて男のほうに言っていたので着いていってみたら、窓から下を見てこっちのほうが近そうだなんて駅に戻っていった。私も駅のほうに戻った。階段を下りてしばらく後をつけあたりを見回したら、バス案内所を見つけた。よしよし。バスの時間までは30分くらいあることを調べておいた。間に合った。ピラタスロープウェイまで1200円で2番のりば。9時30分と10時15分と2つあって到着時間は10時50分、11時7分。到着時間にほとんど差はありませんと案内の人が言う。お腹が空いて電車で少し気分が悪くなったので、ここでちゃんとした朝ごはんを食べようかと思ったが、店はまだ開いていない。とりあえずなるべく早く目的地に行っておこうということで9時30分のバスに乗ることにした。待つ間、ビスケットを小袋一つ分食べた。ボトルの水も飲んだ。ウェストバックを留めるときボトルが落っこちた。人に当らなくてよかった。やっぱり専用のホルダーが必要だ。

バスに乗る。ビラタスラウンドバスという名前で周回バスのようだ。ザックは手で持って積み込んだ。乗客は少ない。私のような登山客は見当たらなかった。発車間際、サングラスの旅行者風のご婦人。運転手に行き先を尋ね始める。行き先の正確な名前が分からないらしく青と白のテントの建物とか言っている。運転手も答えられない。とりあえず行きそうだということになったのかバスがやっと発車した。

茅野の市内を抜けると林と草原のような場所になった。スイスみたいな景色だ。小さな丘を上ったり下りたりしてメルヘンちっくな道路だ。しばらく走っているとサングラスのご婦人が停留所ではないところで降ろしてもらえますかと運転手に丁寧にたずねた。ちょっと戸惑ったようだったがドアを開けた。2~3分走ったら、青と白のテントの建物が見えた。あの人はこの炎天下、ここまで歩くのだろうか。

バスはまだ進む。目的のロープウェイ山麓駅までは茅野駅から1時間以上かかる。だんだんと山道になり別荘などが森の中に見える。景色はいっそう日本ばなれしたハイジの世界のようになってくる。こんどは一人で行くんじゃなくて誰かを連れてこようと思った。プール平のあたりでは引き馬をやっていた。停留所に着くたびに、お客さんがどこに行くか運転手に聞いている。お盆の後の平日のためか引退した世代が多い。

ロープウェイ乗り場

山の中をぐるぐる上ってピラタスロープウェイ山麓駅に着いた。11時少し前ぐらい。このロープウェイ乗り場では何をしようか考える。山頂駅には水はあるのかな?ここで水を飲みたいけど大丈夫かな?水飲み場があったのでボトルの水を補充しておく。トイレにも行っておいた。山頂は喫茶店があるようだけどどうなのか分からない。ロープウェイの切符も買わないといけない。ザックがあるとなかなか行動しづらい。ザックを背負って乗り場の切符売り場まで行く。飲み物の看板があると気になってしまう。切符売り場の途中、食堂と土産物屋があった。何か食べようかな。土産物屋でペットボトルホルダーを売っていた。後で買っておこう。切符は片道900円。前の人がまたもや何かぐずぐずしていた。ザックが重いせいでささいな待ち時間に耐えられなくなる。切符を買ってたぶんロープウェイの発車時間はまだだろうということで、ペットボトルホルダーを買いに土産物屋に行く。もはや旅の最中。準備していたときには気がつかなかったことが起きる世界なのである。自分のボトルにはめてみたらぴったり入った。上機嫌になったので余裕が出てきた。瓶牛乳を飲んでいる人がいる。おいしそうだ。冷蔵ケースの中の牛乳瓶を見たら生乳と書いてあった。飲んでおこう。発車時間のアナウンスが聞こえてきた。生乳のおいしさを味わいつつもぐびぐび飲んで乗り場へ行ったら、ちょうど締切りになってしまった。次は10分後。今日の予定を頭の中で確認する。10分くらいならまあ大丈夫か。ザックを置いて駅の外まで行って写真を撮る。

乗り場には行列が出来ていた。並ばないといけないらしい。ザックを運んで列に並ぶ。背負うのは大変そうだ。時間になりザックを手持ちでゴンドラまで歩く。長く歩くと手持ちは楽ではない。100人乗りのゴンドラに乗り込む。イスはない。真ん中あたりでつり革に掴まる。これから景色は飽きるほど見られるので窓からの景色は観光客に譲る。支柱のところでゴンドラが揺れ、お客さんがわーわー驚く。ワイシャツ姿の人が一人。私の後に切符を買った人だ。何かの仕事で山頂まで行くようだ。中間地点あたりで地面からいちばん高くなる。天窓から入る空気が冷たい。なんだか怖くなる。山頂駅に着く。

坪庭

ゴンドラから降りる。空気がひんやりしている。半そでのシャツではやや肌寒い。ザックを手持ちで運ぶ。駅の出口に登山ポストがあった。ここから登山の始まりなのでちょうどいい。昨日の夜に書いた登山計画書をポストに入れた。山頂駅は坪庭という散策コースの入口になっている。ザックを置いて出発の支度に取り掛かる。山頂駅に何があるか見ようかと思ったけれどザックを持ってうろうろするのはいやだったのでさっさと出発することにした。ストレッチをして靴紐を締めなおしてゴアテックスの上着を着てウェストバッグを締めストラップもきっかり締め最後にザックを担いだ。

で、出発ということになったが最初の目的地である雨池にどう行けばいいのか分からない。分かりやすいとっても大きな案内看板があるかと思ったが見当たらない。アナウンス放送で坪庭は一方通行と案内していた。地図では坪庭らしきところを通るようになっていた。でもまさかこんな大きな場所とは思わなかった。とりあえず坪庭に入ってみることにした。たぶん、どこかに雨池の看板があるはずだ。

坪庭は溶岩のような岩がいっぱいの場所でその間を木道が通っている。展望の良い1週30分の観光コースである。日差しは強いがそんなに暑くはない。とはいえ、2237メートルの場所で3リットル強の水とテント一式、2日分くらいの食料、衣類3袋、トマト缶1個等が入ったザックを背負っているととても堪える。この時点で既にこれまでの山登りの記録を超えている。坪庭をしばらく進んだが雨池の看板が見当たらない。戻ろうにも一方通行なので進むしかない。このまま坪庭を30分かけて1周してこの登山は終わりなのか。案内係の人がいた。登山者と見たのかいってらっしゃいと声を掛けてくれる。さっそく雨池はこっちでいいのか聞いてみる。雨池?と少し間をおいて1周してそこから左と教えてくれた。どうも遠回りをしてしまったようだ。しょうがないので坪庭を1周する。下りの部分は観光コースとはいえ石がごろごろして急だ。ザックを背負っていればなおさら不安定だ。ここで転んだらあまりに悲しい。慎重に石階段を降りる。そうするとやっと雨池の道標が出てきた。やっと本当に出発である。ここから1時間20分掛けて神秘的と言われる雨池を目指す。

坪庭から雨池まで

しばらくの間、平坦な木道を歩く。迫力ある格好のせいか観光客の人たちが道を譲ってくれる。ザックを背負っての木道歩きはなかなか楽じゃない。横に転ぶと大怪我しそうだ。景色を楽しむ余裕はなく足元の木道を見ながら歩いているうちに縞枯山荘に着く。三角屋根の山荘。このあたり小さな草原になっている。ハイジの世界そのまま。写真を1枚撮って先に進む。景色をぼんやり眺めていたいがそうしていると日が暮れてしまう。山荘から少し先に進むと観光客がいなくなった。そして岩だらけの急な下りが始まった。池に行くわけだから下りで当然である。下りはありがたいが岩だらけである。簡単に捻挫、転倒しそうな下り道である。ましてや背中には20キロくらいありそうなザック。いきなり難関となった。

元気はあるので無理はせず転ばないように歩く。歩けども歩けども岩だらけの下りが続く。普段の土のハイキングコースのつもりだったので精神的にもハードである。所要時間を確認することにも意識が向かなかった。このあたりの山はこういう岩と石の道なのかと思いながら下る。

願いかなって林道に出た。ありがたい。ここからは楽な道が続くだろう。笹やぶの細い道を進むと観光客風の男性たちが反対からやってきた。またもや道を譲られる。こんにちはの代わりにありがとうございますと言っておいた。林道脇に雨池の道標。細い暗い道を示す。石も見える。道標は、雨池の次の目的地、麦草峠も示す。こちらは林道だ。雨池を省略しようかとも思ったが、時間的には大丈夫そうなので、岩場は嫌だけど雨池に行くことにした。

岩も多いがさっきほどではない。暗い森の中をしばらく進む。地図では10分くらいとあるが山の中だととても長く感じる。40分くらい歩く覚悟になってきたところで池が見えた。雨池だ。こういうときにいちばん転ぶので足元を見ながら気をつけて池の畔に出た。

雨池

登山ガイドにあるのと同じ風景が広がっていた。人や車の気配はしない。池の畔には岩が広がっている。砂面に岩が点在して火星の表面のように見える。そして水や森がある。でも看板や車の音はない。別の惑星に来たような錯覚になる。そこで、さっそく写真に撮ろうとシャッターを押したら、なんとシャッターが下りない。カメラ故障である。なぜこんないい景色で…。もう一度動かしてみるがやっぱり動かない。しょうがない。背負うのが大変なザックを下ろして予備のカメラを取り出す。こんなこともあろうかと思って持ってきた写ルンですだ。2枚撮った。

自分も岩の一つになってずっと佇んでいたいと思ったが、しばしこの光景を目に焼きつけ、次の目的地に向かうことにした。地図によれば池を巡る道があるというが周囲を見回してもそれらしき道はない。池沿いに歩いてみたいと思ったが、道を探しながら歩くことになるので危なそうである。おとなしく来た道を引き返すことにした。池沿いに歩いていたらそのまま別世界に連れて行かれたかもしれない。雨池はお気に入りである。

雨池から林道へ戻る。地図では10分の道だけど、登る人にとっては10分後に始まる次の道の長さも含めての10分なので駅からうちまでの10分とは違う。林道に戻ったら1時間10分麦草峠まで歩くんだよなあと思いながら10分の道を登る。

林道に戻った。しばらく楽々コースになる。天気も良くていい気分。地図だと確か林道をずっと歩くようだった気がしてこのまま白駒池のキャンプ場だなんて思ったりする。そうして歩いていると道標を見つけた。林道脇にある木道を指して麦草峠と示してある。ここで初めて地図を出す。なんとなく方向が違うような気もするが道標のほうが自分の読図より正しそうなので木道を行くことにした。木道の登り、次第に岩だらけの道になる。やっぱりこの山は岩山なのかと思いながらひたすら岩を選びながら登る。岩を避けるより岩の上をぽんぽん登ったほうが歩きやすい感じがした。体重を前に落とすようにして登るといいというのも思い出した。雨池から麦草峠の間で5人くらいの高齢のパーティとすれ違ったような気がする。道を譲ったら最後の人は走って通り過ぎていった。

キャンプ場到着

麦草峠はまだかまだかと思いながら登ること、気分的に数十分。道が平坦になり木道になった。さらに進むと小さな池。看板に茶水池と書いてある。観光客もちらほら。麦草峠だ。14時半ぐらいである。15時にはテントを張るようにしておきたいというのでまあ間に合いそうだ。国道299号線を渡って麦草ヒュッテで休憩。飲み物を飲めることに気がついて嬉しくなる。ザックを下ろしてヒュッテの中に。ジュースどころかアイスまである。飲み物コーナーを見ると、水1リットル100円と張り紙がしてあった。ここで採取されている地下水とある。頭の中で水計算。ボトルを空にしても1リットルにならない。そうだ、エビアンの1リットルペットボトルがあるからそれを空にすればいい。ポカリスエットの粉を溶いてぐびぐび飲んで、その1リットルペットボトルに入れてもらった。ヒュッテの女の人と挨拶。これから行く場所を伝えて道を確かめ、白駒池キャンプ場まで進む。35分の観光コースだ。花畑の遊歩道を登ってしばらく森のきれいな道を歩くと白駒池に着いた。途中、親子連れや外国人観光客が歩いていた。花はあまり咲いていなかった。白駒池のほとりには青苔荘という山小屋があって白駒池キャンプ場を管理している。受付に行きキャンプを申し込む。生まれて初めてのキャンプだ。ガイドブックでは1晩1000円ということになっている。地面に張るのが650円で板が敷いてある上だと1200円くらいだった。場所は好きな場所を選べる。水、トイレを使うことができる。焚き火はできない。料理に使うガスストーブは使える。申込書に名前と住所、明日の予定を書き650円払って小屋の前のキャンプ場に行く。食事が出来るか聞いたら何時かと聞かれた。東京みたいにいつでも好きなときにというわけにはいかない。持参してきたのを食べることを告げて食事はやめにした。

テント張り

木道が1本伸びていてその左右に板張りのスペースや地面だけのスペースがある。斜面にあるため段々になっている。テントはまだ一つもなかった。池が見えるところにテントを張ることにした。ザックをどっさり下ろしてウェストバックも外す。今日はもうこれでザックを背負うのは終わりだ。そのまま一休みしたくなったが時間は3時半ぐらいになっている。早くしないと日が暮れてしまう。キャンプ場に照明はない。ザックの荷物を解いてテント、グラウンドシートを取り出す。モンベル・ムーンライトテント2人用だ。月明かりでも簡単に組み立てられるのが売りのテントという。設営の仕方はテントを買ったとき1人用のテントで1回練習しただけだ。仕組みはほとんど同じだから大丈夫だろうと思った。雨の日の場合、フライシートから先に張るというのを思い出してその方法でやってみることにした。フレームを組み立ててフライシートを被せグラウンドシートを敷く。そうしてテント本体をその中で広げてなんとなくフックを引っ掛けたりしてみるがどうも合わない。もしかして部品が足りないのかな。どうしよう。今からうちへは帰れない。説明書を読む。手で持ち上げてみると前後が逆だった。フレームを池の方が出入口になるようにして、もう一度最初からやり直す。今度はどのフックもちゃんと入った。フライシートをグラウンドシートに固定するのかと思ってあれこれ試していたが、説明書をよく読んだら固定する必要はなかった。そんなことをしていると親子連れがやってきた。「テントを張ってるおじちゃんが…お兄ちゃんがいるよ」なんて聞こえる。おじちゃんをお兄ちゃんに言い直したぞ。テントを張っているお兄ちゃんは私だけである。見学である。子どもが母親に「お兄ちゃんは今日1人で寝るの!?」なんて聞いたりしている。お母さんの返事は聞こえず。ペグを打ってどうにかテントらしくなった。時計を見たら4時を過ぎていた。とんでもなく時間が掛かってしまった。終わるころに近くのテントスペースにツーリングらしい若いお兄さんが同じくテントを張り始めていた。挨拶はせず。奥のほうには親子連れのテントもあった。

白駒池の夜

テントを張り終えたので一安心。少しばかり周囲を探検しにいく。水場に行ってボトル1本分、一気に飲む。インターネットで調べたら池の水を使っているとあったが大丈夫だろう。飲めるかどうか聞かなかったけど。水場の看板にはこの水は池の最深部より汲んでいますと書いてあった。最深部なら大丈夫だ。室戸海洋深層水と同じだ。トイレがどうなっているのか見に行く。トイレは山の奥、木道を30メートルくらい進んだところにある。最近改築したようなきれいな建物。4つのうち2つは壊れているみたいでロープが張ってある。1回につき50円と書いてある募金箱が据え付けてある。中に入ってドアを閉めると窓はあるけど薄暗い。ヘッドランプが必要だ。トイレットペーパーはない。

池を見る。雨池と違って周囲は木々が生い茂っている。ボートに乗れる。売店でアイスクリームを買って食べる。テントに戻って夕食の支度を始める。キャンプ用調理器具を使うのは初めてだ。プリムスのガスストーブにスノーピークのクッカーだ。少しテントから離して点火。ノブをひねりながらレバーを押して火花で点ける。何度かやってやっと点火した。フリーズドライを4袋持ってきた。ラガーのビーフカレー&ライスとポーク&ガーリックピラフ、ソル・レオーネのトマトソースレジネッレとチーズとブロッコリーのスパゲッティ。後はトマトの缶詰。カレーを食べることにした。水の量が分からない。適当に3分の1ぐらい水を注いでそこに乾いたカレーをザラザラ注ぐ。ここで初めて気がついた。スプーンを持ってくるのを忘れた。そしてフォークも忘れた。箸もない。料理も食事も出来ない。12徳ツールが使えないかと思ったが長さが足りない。ザックの中を思い出すが使えそうなものがない。アイスのスプーンを見た。木のへらである。なんとなく使えそう。試しにカレーをかき混ぜてみるとどうにか長さも足りた。これで食べることにしよう。

しばらく煮込んでみたがスープみたいで袋の写真のようにならない。水が多すぎたのかもしれない。ご飯も柔らかくなったので火を止めて食べてみる。クッカーが熱くて口をつけることができない。クッカーの蓋がフライパンみたいになっているので、それによそろうかと思ったけど、きれいにするのが大変なので冷ましてから食べた。水っぽくてまあまあ。食べられるけどおいしくはない。節水のためトイレットペーパーでクッカーを拭く。足りない感じなのでレジネッレも食べることにした。今度は水少なめにして料理する。今度はうまくいった。袋の写真みたいな感じである。おいしい。2つはそれぞれ328キロカロリーと323キロカロリーである。ちょうど良いのでは。デザートとしてうちからもってきた梨を一つ食べた。ナイフで皮をむいたりしてなかなかキャンプっぽい。ヒーターとクッカーを片付ける。へらはとても貴重なのでなくさないようにクッカーの中にしまっておいた。

カメラのシャッターが動かないのを思い出す。フィルムを取り出して空の状態でシャッターを切る。動いたり動かなかったり。電池切れか。もしかしてと思って持ってきた予備の電池に交換してシャッターを切るとカシャカシャ動いた。電池切れのようだった。新しいフィルムを装てんしておく(実はフィルムは巻き取られていなかった…)。明日のコースと時間を見積もる。計画では西天狗(2645.8メートル)まで行くつもりだったが、地図の所要時間と今日の進み具合を振り返ると帰りのバスには間に合いそうにない。小海線の松原湖方面にある稲子湯というところまで歩く。黒百合ヒュッテまでを目標にしてそこからミドリ池を通って帰ることにした。これなら午後3時ぐらいにはバス停に着けそうだ。稲子湯の炭酸の鉱泉にも入れるかもしれない。

そうしているうちに暗くなってきた。もう今日は朝の6時から重たいザックを担いで歩き回ったので疲れた。壊すといけないのでめがね入れにめがねをしまう。銀マットを敷いてシュラフを取り出す。イスカのタビング200である。夏用のシュラフである。外トンの気温に比べるとなんとなく薄い。夕方から肌寒くなってきたので不安である。テントといってもナイロンかポリエステルの布切れ2枚だけだ。お店で借りた山と渓谷2004年8月号の「山岳遭難の方程式」を思い出してしまう。長袖のウールシャツを重ね着して下もジャージに着替える。靴下は脱がない。ものすごく寒くなったらどうしよう。衣類袋を枕にして天気予報を聞かなきゃなあと思いながら眠った。

テントにポツポツ何かが当たる音がする。木がざわざわ音を立てている。雨か。雨のつもりで来たけれど、こう疲れていると雨の中テントを畳むのは嫌だなあ。持ってきたラジオで天気予報を聞いておけばよかった。まだ外は暗いみたいだ。何時だろう。夜中だったら何時間もここにいないといけない。そしてとても寒い。シュラフでぐっすりというわけにはいかない寒さだ。寝ようとするが眠れない。冬用のシュラフにしておけばよかった。とうとう眠れず起き上がる。ヘッドランプを探して衣類袋からもう一枚暖かそうなのを探す。時計を見たら4時半だった。山の時間で少し早い時間だ。横になりながら朝は何をしたらいいのか順番をつける。ご飯を食べてトイレに行って荷物を片付けてテントを畳んで水を補給してストレッチして重たいザックを担いで出発だ。どこに出発したらいい?池の反対側に見える小屋を目指せばいいのか。

5時半ぐらいになって起きる。水を1杯飲んで池の方まで散歩。まだ時間はある。霧がかかっていかにも高原の池らしい。写真を撮る。トイレに行ってテントに戻る。靴紐を縛っていなかったので危なかった。インターネットで調べて歯ブラシを持ってきておいた。水だけで歯を磨く。さっぱり。テントに戻り最初にまとめられる荷物だけまとめた。服を着替える。行く前から足が筋肉痛なのでテープを貼った。その後、朝食の支度に取り掛かる。最初に、とてもおいしいという朝のコーヒーを淹れた。挽いた豆を1杯ずつパックにしてあるやつだ。近所の雑貨屋で買ったアルミのマグカップにお湯を注ぐ。話通りおいしかった。インスタントでない分余計においしいのかもしれない。暖かい飲み物で体が温まる。ガスヒーターはいらないと思ったが、お店の主人が薦めたとおりに持ってきてよかった。ポーク&ガーリックピラフとチーズとブロッコリーのスパゲッティを食べた。どちらも味がしたのでおいしかった。きのうのアイスクリームのへらで食べた。荷物に余裕があったら自宅で何か作ってポリ容器に入れて持っていくといいかもしれない。梨を食べようかと思ったけど冷えそうなのでやめにした。1.5リットルのペットボトルが半分くらいになった。1リットルのも半分くらいになった。

荷物を片付ける。へらをクッカーにしまいテントの中の荷物を全部外に放り出す。ペグを抜いてタープを外してどんどん片付ける。ザックに全部しまいこむと水が減ったせいでいくぶん昨日より軽く感じる。水場が少ないので満杯にしておくといいがそうなるとまた重くなる。かといって半分の量にして足りなくなったらとても困ったことになる。迷ったが、昨日一日で空っぽにはならなかったこととザックが軽ければ疲れることもなく喉も渇かないということで満杯にしないことにした。

白駒池から中山

9時出発と申込書に書いておいたが8時出発にした。池の畔の木道を歩く。白駒荘のところから高見石小屋(2249メートル)への登りが始まる。地図では1時間である。等高線が比較的詰まっていて楽ではなさそうだ。高見石からは中山(2496メートル)を目指す。薄暗い森の中、木道が終わり、例の岩だらけの道になった。木道と同じ速さで登ろうとして息が切れる。ペースを落として途中途中休みながら登ってゆく。10メートルくらい先を見てそこまで登ったら一休みという調子だ。登っているとザックが左に傾く。どうやら荷物の配置が均等でないらしい。とても登りづらい。いったんザックを下ろして荷物を整理する。上側の真ん中にペットボトルを配置して梨2個を左右均等にする。さっきよりもぐらぐらしなくなった。辛抱強く登り続けると空が明るくなってきた。さらにもうしばらく登って高見石小屋に着いた。高床式の小屋だ。飲用水は見当たらない。ジュースを売っている。写真を一枚撮って休憩なしで中山登頂を目指す。

登山用のグローブ(プロモンテ2000円くらい)をはめて登っている。軍手でも十分かと思ったが雨になるとぐっしょり濡れてしまい結構しんどいというのを調べていたので防水の登山グローブにした。スキー用のでもいいらしい。岩や木にしっかり掴まることができる。化繊のウェアは汗を吸い取っていくら汗をかいてもじめじめしない。アウトドア用のは高かったのでユニクロのドライシャツにした。中山への登山道は最初は平坦で外国の国立公園のようだ。普段のハイキングコースとは木々が違う。クリスマスツリーみたいな木がいっぱい生い茂っている。しばらく景色を楽しむと岩が多くなる。高見石までの道と比べると多少は楽だ。空気は澄み切っている。登りながらこれまでの山登りの高度を更新し続ける。途中、老夫婦の登山者2名と行き違う。頂上付近で平坦な感じになる。そして木が低くなり風が強くなる。天気が悪かったら飛ばされそうな雰囲気の風だ。さらに登って中山の頂上に着いた。岩だらけの頂上。サッカーのグラウンド半分ぐらいの広さ。木は1本もない。風がびゅうびゅう吹いている。人一人いない。少し遠くにケルンが見える。地の果てに来たような雰囲気だ。景色はとても良く、八ヶ岳の北部、西部の山を一望できる。突風が来ないことを願いつつ記念写真を撮り、黒百合ヒュッテを目指すことにした。山頂付近の木の枝は東に一方向に流されていた。まだ11時前だ。お昼前に黒百合ヒュッテに着きそうだ。

中山から黒百合ヒュッテ

中山頂上からの下りは急だ。しゃがみながら岩伝いに下りる。左足をくの字に折って右足を下ろし足がつらないように左足を下ろす。片足で全体重とザックを支えてゆっくり体を下ろす。背中のザックが岩に引っかかってバランスを崩しそうになる。若い男性の登山者1名と行き違う。平坦な道に出た。左側は崖になっている。稲子岳の崖がよく見える。この辺りは土の道で歩きやすい。歩いているとお腹が空いてきた。朝食はよく食べたつもりだったけど標高が高いのかすぐにお腹が空くようだ。くらくらしそうになってきたので登山道の真ん中でビスケットを食べる。乾きものなので水が欲しくなる。黒百合ヒュッテまで水はないけれど、ボトルにポカリスエットの粉を入れてほとんど飲んだ。崖沿いの道を歩いていくと中山峠に着いた。左に行くとミドリ池、右に行くと黒百合、まっすぐ行くと東天狗。岩多めで木もそこそこ生えている。黒百合への道は木道になっていて5分くらいだ。西天狗、東天狗がよく見える。天狗岳の登りはものすごく急だ。とても今からは登れそうにない。コースを短くして正解だった。11時だった。

木道を歩いて黒百合ヒュッテに向かう。ヒュッテで水を補給して昼食をとる。林の中を抜けるとヒュッテの前庭に出る。小さな草原とグラウンドのような前庭。小屋は2階建てで大きい。太陽電池パネルと風力発電が置いてある。風力発電のプロペラの音がひゅーひゅー鳴っている。売店の手前にパラソルと木のテーブルとベンチがある。そこでお昼を食べよう。1階の屋根にめがねに黒ジャージの若い女の子がいて布団を干していた。ザックをパラソルのところに下ろして財布を握りしめ売店へ。水はペットボトルのミネラルウォーターだった。カレーとかうどんとかメニューに書いてある。土産物もある。こけももティーを注文した。パラソルに戻って荷物を解いて昼飯を用意する。ガスでお湯を沸かそうと思ったが面倒なのでやめた。乾いたものから食べることにしてカロリーメイト2袋、魚肉ソーセージ2本を食べた。魚肉ソーセージがおいしかった。ポカリスエットの水を飲んでミネラルウォーターを補充。梨を食べてこけももティーを飲んだ。ティーカップと紅茶の入ったポット、ジャムが乗っかった小皿である。最初は紅茶だけで飲んでそのあとジャムを溶いて飲んだ。4杯くらい飲んだ。450円くらいだった。空を見上げるとうろこ雲。空気は澄み渡り心地が良い。ヒュッテの女の子もテラスのところにあぐらをかいて景色を眺めている。雨池と同じ現実から少し遠ざかった世界だった。写真を撮ってトイレに行く。トイレがきれい。水洗式。200円くらいお金を入れる。循環式の新設のトイレのようだ。パラソルのところに戻って紅茶のお盆を売店に戻して女の子に一言挨拶をして来た道を戻る。あんな高い不便な場所にあれだけのサービス。幻のようである。木道を峠の方に戻っていると30代ぐらいの男性登山者1名と行き違う。道を譲ってくれようとしたのか木道の上でバランスを崩した。慌てないように気をつけたい。

中山峠から稲子湯

中山峠の直下は急な下りでクサリ場が2箇所あった。重くはないけれど大きなザックなので変なところで引っかかりそうだった。しばらく歩くと少しくらくらしてきた。食事をした後に高所で運動をしているせいか。なんとなく危ない状態になってきたような気がしてくる。木に寄りかかって頭を低くして休んだ。岩が多い。階段のように足を掛けやすい岩が一つあって浮き石のように見えたので、試しに足を乗せてみた。やっぱり浮き石だった。危なく転ぶところだった。この辺りでしりもちを何度かつく。足首も捻る。砂利のような石の上で足が滑ったり斜めに石を踏んだりしてそうなってしまう。この登山では自分の体力を試したいということでストックを使わないことにしている。岩場の後は枯れ沢の道になった。道が白っぽく溝の中を歩くような感じだ。

道が平らになってきた。ミドリ池と本沢温泉の分岐点。13時ぐらい。ミドリ池までは平坦。ミドリ池からの山の眺めは外国のよう。さらにミドリ池を過ぎてどんどん進む。14時ぐらいには稲子湯に着きたい。13時半、こまどり沢に出る。道標には稲子湯まで何となく1時間と書いてあった。沢の水が冷たい。トロッコの廃線が登山道になっている。錆びたレールがところどころ見える。お菓子やカロリーメイトらしき包装ラップが落ちていた。興ざめである。拾って下りる。転ばないように下りてゆくと屏風橋に出た。車も止まっている。1670メートルという標識があった。道標には稲子湯まで1.5Kとある。林道を下りてゆくとみどり池入口のバス停。16時に1本バスが来る。14時半ぐらい。うちへ帰れそうだ。もう少し登山道を歩く。途中に祠がある。そこからもう少し進むと稲子湯の建物に出て登山は終了。

バスは16時5分に来る。ザックを建物の前に下ろして水を飲む。もういくら飲んでも大丈夫。まだ1時間くらい余裕があるので鉱泉に入ってみることにした。炭酸の鉱泉らしい。入湯料は600円くらい。ザックをロビーに置かせてもらう。カメラのフィルムを巻き取ろうとしたら空回りして手応えがない。どうやらレバーがフィルムを噛んでいなかったようだ。ああ、1枚も撮れていない。昔のカメラだからフィルムが入ったかどうかは目で確認しないとだめだった。

鉱泉に入る。風呂場の床がつるつるで、中に入って引き戸を閉めようとしたら、そのままゆっくりとしりもちをついた。こんな最後のところで怪我をしなかったのは良かったけれど、先客もたくさん入っていたのでものすごく格好悪い。コップがあって鉱泉を飲むことが出来る。鉱泉は温泉と違って冷たい泉だ。飲んでみると少し炭酸っぽい感じで冷たくてもう1杯飲んだ。

お風呂を出てロビーで休憩。受付に人がいない。誰もいないけど聞こえると思って挨拶だけして玄関に出る。玄関でチャイムが鳴って人が出てきた。手を振って挨拶した。携帯のバッテリーが昨日から切れていた。持ってきたヘッドランプは手回し式で携帯にも充電できるやつだったので、昨日の夜はそれで充電を試みたがなぜかできず。バスが来るまでもう一回ハンドルをぐるぐる回したがやっぱりだめ。うちでは充電マークが点いたのに。ひょっとすると完全に電池切れだとだめなのかもしれない。バスが来た。小海駅まで30分ぐらい。

帰り道

小海駅から17時33分の列車で小淵沢まで行く。18時41分、小淵沢に到着。家に電話するも誰も出ない。土産物屋が開いていた。レジで前の人が弁当を変更しようとしてなかなか順番が来ない。レシートが見つからず弁当の変更はやめた。私の後ろにも列が出来ていた。ホームでお茶を飲みながら生ワッフルとアイスシュークリームを食べた。19時19分発のスーパーあずさ34号で帰る。帰りは何の準備もしていない。適当。空いているかと思ったらたくさん乗っていた。ザックが大きくて通路を通りにくい。デッキにザックを置いて立席で帰ことにする。途中、石和温泉の辺りでドアの窓から花火が見えた。真ん丸い花火が何発も上がるのが見えた。わざとらしいくらい出来すぎた偶然だが、登山の成功を祝うかのような花火であった。21時5分新宿に着く。高層ビルとネオンが刺激的。家に電話。山手線で帰る。ドアのところにザックを置いた。ザックの外側ストラップがない方をドアに向けたほうがいい。なんとなく危なそうだった。駅に着いてザックを背負うと胸のところの左右にずれるのを留めるストラップが外れた。そのときは肩のストラップが外れたと思った。手でベルトを押さえて改札のところまで行き肩のストラップが大丈夫なことに気付いて締めなおす。外れた胸ストラップを持ってうちに帰った。

まとめ

カメラにフィルムをセットするときはかならず目でフィルムがフィルムレバーに巻き取られたことを確認しよう。カメラはリコーXR-7MⅡ(1993年10月発売)だ。レンズはCOSHINA28ミリと写ルンです1600。

胸ストラップは取り外し可能なタイプのものだった。力いっぱい引っ張ると外れるけれど、あれが不意に外れるほどの力がかかるような場面では外れたほうが安全なのかもと思う。アルパインパック60。

カリマーのウェストバックは、ウェストに巻くベルトとショルダーストラップも付いていて2通りの使い方ができる。街中でも使えそうなのが気に入った。ファスナーについている皮ストラップが帰りの小海線の中で自然に解けた。手袋をしていると小さい金属のつまんで引っ張るやつをつまみづらい。アウトドアのハードな環境では不便かもしれない。上野のアメ横で買った。4500円。

前回の丹沢登山と同じく帰りのバスを逃すことがなかった。無理なスケジュールは取らないということを実践できた。荷物が多すぎたかもしれない。衣類と水を減らしても良かったかもしれない。歩いているとき靴と足がずれて歩きづらくなることがあった。履き方が悪いのか高い靴にすればいいのか。コールマンのナントカ。

2日間とも天候に恵まれ暑くもなく初めてのテント泊登山には最適な環境だったと思う。足の筋肉痛がなければもっと動けたかもしれない。空気がきれいで良かった。

おしまい


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